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導入事例

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グループ3社の情報一元化を実現、経営判断のスピードアップが叶いました。業務フローを「UP-One」に合わせることにより、あるべき姿が分かりました。

大和産業株式会社様

左から太田様、小山様、大野様

大和産業株式会社
専務取締役 徳島 浩 様、品質保証部課長 太田 仁 様、業務部課長 大野 雄矢 様、製造部工程長 小山 慶太 様

食品パッケージを主とした、軟包装パッケージ生産・加工業の大和産業株式会社は、2018年7月に生産管理システムを「UP-One」に切り替えました。導入から半年、「UP-One」を使用してみての感想、導入プロジェクトについて、また導入効果などを各部のキーマンの方々にお話をお聞きしました。

この記事のポイント!

課題
グループ3社の情報の一元化ができておらず、経営判断に時間がかかっていた
業務フローがなく、各部署が異なる業務管理をしていた
原価計算に時間がかかっていた
導入スケジュール
2017年6月~2018年7月(約13ヵ月)
導入効果
グループ3社の情報一元化で、経営判断の迅速化が実現
「UP-One」に沿って業務フローを見直し、各社統一された業務フローで運用
タイムリーで正しい原価計算が実現

大和産業株式会社について

―3社からなる「大和グループ」の成り立ちを教えてください。

もともと、愛知県のコンバーティング業界自体が少し特殊で、ラミネート業の会社はラミネートだけ、製袋業を行う会社は製袋だけ行うというように工程ごとに会社が分かれていました。当社も、もともとドライラミネートの会社として設立され、その後、押し出しラミネートの和合化工株式会社、スリット加工の新和スリット株式会社を設立し、現代のコンバーターと呼ばれる企業グループになりました。

―業務フローを教えていただけますか?

当社の業務には、以下3つのフローがあります。

・ 製品受注 原料仕入から製品までの一括生産をする(生産)
・ 工程受注 顧客から支給された製品に対し一部加工などをして納品する(加工)
・ 商品受注 製品を購入し顧客に販売する(代理店業務)

―3つの業務の割合はどのくらいですか?

その割合が当社は非常に特徴的です。当社は、製品受注と工程受注の割合が半々くらいです。コンバーティング業界において、製品受注と工程受注両方をメインにしている企業は、全国でもあまりありません。製品受注を扱う企業の9割以上が、製品受注のみです。一部工程受注も対応していますが、本業として受けているところは少ないです。または、工程受注しか受けていないかのどちらかです。当社は、製品受注・工程受注それぞれ別の部署が担当していますが、製造現場は1つです。

「UP-One」の導入効果

―導入して半年が経とうとしていますが、使われてみていかがでしょうか。

以下のような導入効果が得られました。

(1)情報の一元化で、確認・応対スピードが格段に上がった
従来だと各工程での仕掛品の数や状態などを電話で問い合わせていましたが、今はパソコン画面で確認すればすぐに分かるようになりました。顧客への納期回答も、それまではシステムをあちこち見て確認していたのですが、今では一か所を見たらすぐ応えることができます。情報伝達のスピードが一気に上がりました。

(2)瞬時で売上を確認でき、経営判断も早くなった
今までは各部の経理の仕訳データを加工して損益を出さなくてはならなかったので、電卓でいちいち計算していました。使用しているシステムが各部違っていたので、1つの資料にまとめるのに時間と手間がかかっていました。今では、帳票もボタン1つで発行できます。

(3)タイムリーに正しい原価計算ができるようになった
当社は以前から、原価計算に重点を置いています。この業界の原価計算は非常に難しく、売上金額の何割かを仕入れとみなす「みなし仕入れ」で計算している企業が多いと思います。しかし、それでは正確な損益を把握することができません。当社はそこにこだわり、原価粗利の計算機能を組み込んでいただきました。以前のシステムでは計算結果が出るまで時間がかかっていたのですが、「UP-One」ではタイムリーに正しい結果が確認できるようになりました。

(4)入力ミスがあってもすぐ発見でき、対処できる
品質保証部でも「UP-One」を利用していますが、帳票などは、画面で確認すると、入力ミスにすぐ気づきます。その場合、すぐに現場に連絡をして対処ができます。品質管理面でも「UP-One」は役に立っています。

徳島専務

正確な原価計算にこだわり、計算機能を組み込んでいただきました。
(徳島専務)

「UP-One」の導入経緯

―「UP-One」導入前の課題について教えてください

「UP-One」導入前は、グループ3社がそれぞれオーダーメイドで作ったオンプレミスのシステムを使っていました。ベースとなるシステムは同じでしたが、各社が使いやすいようにカスタマイズしていました。また、それぞれ独立で動いていたので、情報が繋がっていませんでした。ですから、例えば一旦Excel®にデータをダウンロードして、情報を整理しなければいけなかったので、迅速な経営判断ができませんでした。また同じ会社内でも、各部署に独立したサーバがあり、担当者が使いやすいように自由にカスタマイズしていたので、部署ごとに違うシステムを使っていたも同然、連携することは困難でした。

―なぜ「UP-One」の導入を決められたのですか?

この業界で「UP-One」は有名で、導入している企業も多いと思います。どこで知ったか?という感覚はなく、基幹システムの導入を検討したら一番先に候補に挙がりました。同業者も、「UP-One」を使っているところが多いです。
システムを1からオーダーメイドで作るということは、自由度が高く、自分たちが使いやすいものを作ることはできますが、それが全社的に有効なシステムなのかは判断できません。単なる便利ツールで終わってしまいます。「UP-One」は、コンバーティング業界にも特化したパッケージなので、必要最低限のベースが既にあります。そこから、自分たちの業務に合うようにカスタマイズしていくやり方が、自分たちには合っていると思いました。また、「UP-One」を導入している同業者と、運用方法についての意見交換ができてよいと思いました。

―担当営業・SEの対応はいかがでしたか?

我々の業界に詳しく、また専門用語もよく知っていらっしゃいました。打ち合わせをする中で、すぐに話が通じるということは重要です。また、我々が端折った説明をしてしまっても、その意をくみ取ってくださいました。1言えば10受け取ってもらえて、宇部情報システムさんになら任せられる、と思いました。リスクについてもはっきり説明してくださいました。我々の要望に対し、こんなリスクがありますけどいいですか?というように、要望をすべて受け入れるのではなく、我々のことを考えて回答してくださいました。

大野様

担当の方は、我々の端折った説明にも、その意をくみ取り、理解してくださいました。
(大野様)

「UP-One」導入プロジェクト

導入スケジュール・導入体制
導入スケジュール・導入体制

―要件定義の期間が予定の倍以上かかったそうですが…?

実は、当社側での話がまとまらず、途中で一度リセットしました。「UP-One」導入における会社の方針が全社に浸透していない状態でスタートし、メンバーが個々に要望を言っていったので、どこに向かっているかわからなくなり、一度仕切りなおそうということになりました。次は、方針をしっかり決めて、メンバーも各部の代表者を選出して進めていきました。各部署の思いと会社の方針の合わない部分を、一度きちんと整理しました。我々も基幹システム導入は初めてだったこともあり、時間はかかりましたが、必要な時間であり、必要な作業でした。言いたいことばかり押し通していても前には進まないのですね。システムの作り方というものを理解し、経験することができました。次にシステムを導入する際は、スムーズに進めることができると思います。

―システム導入において、大変だとよく言われる「マスタ整備」はいかがでしたか?

マスタ整備は、1人の担当者が、旧システムのデータをCSVでダウンロードして整備しました。各社で異なっていたルールを統一してマスタを作成するのには苦労しました。「UP-One」へのマスタ登録は、派遣社員を雇い、専用の部屋で行いました。最初は慣れないこともあったり、登録中にいろいろな問題が発生したりしましたが、宇部情報システムさんのアドバイスもあり次第にスピードアップしていきました。

―旧システムとの並行稼働はされたのですか?

はい。その前段階の総合テストで、各機能の確認は十分行った上で、並行稼働を実施しました。しかし、旧システムと「UP-One」の両方に登録しなくてはいけないので、単純に作業量は2倍。予定通り進んでいる部署と、遅延している部署がはっきり分かれました。マンパワーも限界…。そんな時、専務が「並行稼働をやめよう。UP-Oneを信じよう!」と言ったのです。請求業務のみ並行稼働し、その他は「UP-One」を本稼働にする…大きな決断に踏み切りました。しかし、その判断があってから、「UP-One」導入は大きく前に進みました。大きな問題もなく、稼働を進めて行けたのです。ユーザ全員が「UP-One」の使い方をマスターせざるを得なくなりましたし、浸透速度も速まりました。

小山様

現場の要望を主張して、専務と喧嘩になったこともあるんですよ(笑)。
(小山様)

宇部情報システムへの評価と期待

―導入から現在に至るまで、宇部情報システムの総評をお聞かせいただけますか?

ご提案時から導入まで、当社の仕組み・業務をしっかり理解したうえで対応してくださいました。それは本当に大きかったです。担当の方がイエスマンの人だったら、我々のやりたいようにやってしまって、結局使いづらいシステムになっていたと思います。新しいシステムを導入するということは、何でもできるようになるということではありません。基幹システム導入に初めて携わったので、最初は進め方も何が正しくて何が間違っているのか分からない状態で、何度もご相談させていただきました。担当SEさんはシステムのことだけでなく、メンバーをどうまとめていったらいいか、どう説明すれば納得してもらえるかまでアドバイスをくださいました。

太田様

システム以外のことについても、何度もお電話しアドバイスをいただきました。
(太田様)

―今後、宇部情報システムに期待されることはございますか?

「UP-One」の導入は終わりましたが、現在も月1回、訪問していただき、業務改善のための相談にのっていただいています。社内の人間だけで運用していると、また自分たちのやりたいようにやってしまいそうなので、今後もそれを剪定していっていただけると助かります。引き続き力を貸してください。また、「UP-One」がどんどん業界に広まって、設備とのデータ連携、企業間の情報連携などができるようになれば、夢が広がると思います。まずはシェアを30%くらいにしていただきたいですね(笑)。それと、今回導入時に担当してくださったSEさんのような、ユニークだが頑固、良くないことははっきりと言ってくれる、そして時々毒を吐く、そんなユニークな人材をどんどん採用してほしいです。彼が担当で本当に良かったです。
今後もよろしくお願いいたします。

大和産業株式会社のみなさま、お忙しい中、インタビューにお答えいただきありがとうございました。(取材年月:2019年1月)

大和産業株式会社

軟包装フィルム製造・加工・販売

ドライラミネートの大和産業株式会社、押し出しラミネートの和合化工株式会社、スリット加工の新和スリット株式会社3社から成る軟包装フィルム加工メーカー「大和グループ」の中心企業。品質方針「心速(心を込めてより速く)」のもと、スピードと品質の両方を重視した製品提供を心掛けている。創業以来、ドライラミネートの生産・加工を中心に行い、関東・関西にも事業所を展開している。近年、環境に配慮し安全で安心できる「溶剤を使用しないドライラミネート(エコD)」と「溶剤を使用しない押出しラミネート(エコE)」を通じて、地球環境問題にも積極的に取り組んでいる。

創業
1983年
本社
愛知
URL
https://www.yama10.co.jp/