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「UP-One」導入で複数システムを統合、各拠点のシステムを統一。
正確かつ業務改善まで提案してくれるシステムです。

NTフィルム株式会社様

左から冨山社長、本庄様、他2名は当社社員

NTフィルム株式会社
代表取締役社長 冨山 幹雄 様、福井事業部 業務部 本庄 恭子 様

主に食品メーカー向け産業資材用ポリエチレン袋等を製造・加工しているNTフィルム株式会社は、2015年10月に「UP-One」を導入しました。使いやすさを重視し旧システムから「UP-One」に切り替えたこと、導入に至るまでの経緯などを、導入プロジェクトのリーダーを務められた冨山(とみやま)社長と「UP-One」を業務で実際に使われている本庄様に伺いました。

この記事のポイント!

課題
販売管理システムと生産管理システムが連携されておらず、納期回答に時間がかかっていた
旧システムの仕組み上、二重入力が発生、また、在庫管理ができず、棚卸が実地棚卸(実棚)のみだった
導入スケジュール
2015年1月~2015年10月(約9ヵ月)
導入効果
「UP-One」で販売管理・生産管理を統合し、複合機の機能を利用することで、納期回答(FAX送信)の手間・用紙・時間を削減
各拠点のシステムが「UP-One」1つに統一され、二重入力を解消
実棚と帳簿在庫を照合できるようになり、差異の原因もすぐ分かるので、棚卸のスピードアップに成功

「UP-One」の導入経緯

―「UP-One」の導入経緯を教えていただけますか?

2014年にそれまで使用していたシステムが更新時期を迎えたため、システム再構築を検討しました。
当社は2009年に大阪の高一商事株式会社、福井の大豊フィルム工業株式会社(以下、大豊フィルム工業)が合併して設立されたのですが、母体の1つである大豊フィルム工業は、以前から「UP-One」を使っていました。

しかし2003年、両社は中川製袋化工株式会社の傘下に入り、親会社と同じシステムを使うことになりました。そのシステムは規格袋や親会社の製品管理に特化していたため、別注品が多い当社の業務にはあまりフィットしていませんでした。私(冨山社長)は2011年に中途入社したので大豊フィルム工業時代のことはよく知らないのですが、当時からいる従業員たちは、「『UP-One』ならあれもできたよね、これもできたよね」と、よく言っていました。

2014年に吸収合併した株式会社めいせきも、「UP-One」ユーザーでした。めいせきさんとは以前から取り引きがあったのですが、当社の従業員たちは、めいせきさんが「UP-One」を使っていることを羨ましく思っていたようです。合併するにあたり、実際に豊橋の従業員が「UP-One」を使っているのを見て、確かに当社の業務にも合っていて使いやすいと認識しました。

―「UP-One」は貴社の業務に本当に合っていたということですね。

業務に合うようカスタマイズもした部分もありますが、「使い慣れているから使いやすい」というわけでもなく、とにかく機能面で使いやすかったのです。それで、既存システムの更新か、「UP-One」を導入するかを約1年かけて精査しました。

―最終的に、「UP-One」に決めた理由は何だったのですか?

従業員たちからの後押しもありましたが、既存システムのベンダーがもっと良い提案をしてきたら、そちらにしようとは思っていました。宇部情報システムさんは、とにかくレスポンスが速かったです。こちらが抱えている課題に対し、次から次へと提案してくださいました。これが1番の決め手でした。システムの使いやすさと担当者の対応の良さで宇部情報システムさんに、「UP-One」に決めました。

冨山社長

システムの使いやすさと担当者の対応のよさで「UP-One」に決めました。
(冨山社長)

「UP-One」導入前の課題

―「UP-One」導入前にはどんな課題がありましたか?

(1)販売管理システムと生産管理システムが連携されておらず、納期回答に時間がかかっていた
生産品と仕入れ商品を管理するシステムが別にあり、それぞれのシステムにおいても、複数の画面を起ち上げて見る必要があったため、確認に時間がかかっていました。そのため、すぐ納期回答ができず、お客様をお待たせすることもありました。担当者不在で代わりに不慣れな人が対応し、見間違えてとっさに注文漏れと判断し、受注を重複入力してしまい焦ったこともありました。

(2)各拠点がそれぞれ独立したシステムを利用していたため、二重入力が発生していた
注文を受けた拠点がシステムに受注情報を入力する、それに対し、生産する拠点がその情報を元にその拠点のシステムに受注情報を入力する、という二重入力が発生していました。もっと悪い時は、その拠点で受けられず別の拠点に生産を依頼する場合、そこでも受注情報の入力が必要だったので三重入力が発生していました。ムダとタイムロスに加え、拠点をまたがる製品の納期管理は全体が見えないため、かなり困難でした。

(3)「UP-One」に比べ、一画面で進捗が確認できなかった
既存システムでは出荷されているかどうか、いつ売上計上しているかなど、複数画面を開かなければ進捗が確認できなかったため、混乱を招き、時間もかかっていました。大豊フィルム工業時代の「UP-One」は、受注から出荷まで一画面で確認できたため、進捗が一目で分かっていました。そのため、既存システムを利用していたときは、納期回答についてのお客様のクレームが多かった気がします。

「UP-One」の導入効果

―「UP-One」の導入で、課題は解決しましたか?

解決しました。解決したことばかりでした。
「UP-One」には販売管理機能、生産管理機能があるので、1つのシステムで管理ができるようになりました。全拠点、システムを「UP-One」に統一したので、全社での情報共有が可能になり、どこでも全体の作業状況が把握できるようになりました。当然、二重入力、三重入力はなくなりました。

納期については、問い合わせがあれば「UP-One」で進捗を確認し送信先を選択してボタンを押せば、複合機の機能を利用することで、お客様にFAXで回答が送信できるようになりました。プリントアウトしてFAX機で送信する手間やFAX用紙の削減ができ、何より電話対応業務がかなり減りました。さらに、在庫管理には感動しました。

冨山社長

以前のシステムでは当社製品の在庫管理ができなかったので、
システムでの管理はしていませんでした。(冨山社長)

―どんなことに感動されたのですか?

正確かつ業務改善につなげることができる点です。
「UP-One」は棚卸の際、差異があった製品のみを確認できるので、間違いや異常値がすぐに発見できます。棚卸業務のスピードがあがりました。また、差異の原因は入力ミスがほとんどですが、「次は気を付けよう」「繰り返さない工夫をしよう」と、次に活かすことができるので、自分たちの業務改善もできます。実棚については、以前は毎月実施していましたが、今年から3ヵ月に1回にしました。実棚をしない月は「UP-One」に登録されている在庫情報のみで棚卸をしています。日々、現場で実績をきちんと登録できているため、差異もそれほどありません。実棚は大変なので、「出荷したときに情報をきちんと登録すれば、棚卸は楽になるよ」とみんなに言っています。今後は実棚を半年に1回に減らせないかと目論んでいます。

―他に、導入効果はありましたか?

・工程計画で最適な機械を照会・設定できる
工程計画の画面で、その製品を作るために最適な機械を表示し、選択できるようにカスタマイズしました。製品マスタに、製造機を第一候補から第三候補まで設定しておくと、その時の機械の負荷量も加味して、その計画に最適な機械を選べるようにしました。これにより、生産効率がアップしました。

・原料の在庫管理は使用予定表で
使用予定表は、在庫、使用予定、購入予定が分かりやすくまとまっているので、どの原料がいつまでにどれ位の量必要かが把握できます。そのため、余分な在庫を持たずにすみますし、不足しそうなものは早く手配ができます。

・所要時間のリアルタイム把握
タブレットで生産実績を計上した時点…つまり次の生産工程に入った時点で、その工程でかかった時間の平均値を計算するようにしました。生産にかかる時間がリアルタイムで分かるようになり、納期回答に非常に役立っています。

・内部売上の仕組みを構築
当社は事業部単位での独立採算制をとっており、事業部間での取り引き(売上など)を管理する必要があったので、その機能をカスタマイズしました。宇部情報システムさんでは構築経験のない機能だったそうで苦労されていましたが、対応してくださいました。

タブレット使用風景

タブレット使用風景

「UP-One」導入プロジェクトについて

導入スケジュール・導入体制

―導入プロジェクトはいかがでしたか?

マスタデータは既存システムからできる限り移行しましたが、「UP-One」とデータ構造が全く違っていたため、ほぼ作り直しでした。2ヵ月くらい既存システムと「UP-One」を並行稼働しましたが、かなり辛かったです。この期間は長いと辛いですし、短いと不安なので、ある程度はやるしかないのですけどね。

それと、大阪、福井、豊橋3拠点の用語統一がされるまで、従業員には苦労をかけました。母体の会社が違ったので、業務で使用している用語も三者三様だったのです。用語が違うと別の製品と受け取られるのですが、まずは「UP-One」運用を軌道に乗せることを第一と位置づけ、プロジェクトを進めました。その間製造現場のオペレーターは、都度用語(製品)の確認作業が入り、我慢との闘いだったはずです。導入後半年~8ヵ月位に、3拠点のオペレーターが集まり、話し合い、用語統一をしました。

―本番稼働時の現場の反応はいかがでしたか?

福井事業部は、前身が大豊フィルム工業だったので、「UP-One」使用経験者が多く、操作面においてもハードルは低かったです。しかし、大阪事業部は前身の企業が全く違うシステムを使用していたので、かなり戸惑いはありました。大変だったのが豊橋営業所でした。「UP-One」が本番稼働して落ち着いてきた1年後くらいに、豊橋営業所のシステム、つまり前身のめいせきが使っていた「UP-One」と統合しました。同じ「UP-One」を使っていたとはいえ元々はまったく別の会社です。運用方法の擦り合わせに苦労しました。

今後とUISへの評価・期待

―今後、IT関連で取り組んでみたいことはありますか?

社内のシステムについてクラウド化を進めています。「UP-One」導入をきっかけに、財務会計についても相談させていただき、クラウドにしました。ゆくゆくは「UP-One」もデータセンターに移す予定です。今はまだ、データセンターとやりとりするにあたり通信面で不安があるので、5Gが軌道に乗り始めたときが潮目だと思っています。
それと音声入力にも興味はありますが、他の音にも反応するので、騒音の多い現場での利用は難しいかもしれませんね。

―UISに対する総評をいただけますか?

とにかく、業界用語の咀嚼レベルが高い!導入当初は、当社の利用者がそれぞれ自分のタイミングで問い合わせやカスタマイズの依頼をして、ご迷惑をおかけしました。「この説明で伝わるのだろうか?」と思ったことも、ちゃんとくみ取って理解してくださいました。操作方法への回答はもちろん、これをしたいならこうしたらいいというアドバイスから、できないことへの代替案まで、考えていただきました。分からないことは、1から丁寧に教えてくださいました。何回も聞くのは恥ずかしい…と思ってはいますが、何回でも答えてくれるので、遠慮なく問い合わせしてしまっています。

「UP-One」は、ものづくりの核となる工程管理・販売管理・在庫管理が正確かつ効率よく運用できて、何より現場に寄り添ったシステムです。これからもますますのご発展を、期待しています。

NTフィルム株式会社のみなさま、お忙しい中、インタビューにお答えいただきありがとうございました。(取材年月:2019年12月)

NTフィルム株式会社

ポリエチレンフィルム・シート・及び加工品の製造・販売

主に企業間輸送袋(コンテナ・段ボール・クラフト紙等の内袋)の製造・販売を手掛ける。調味料など食品素材の包材が多いため、「安心・安全」を提供すべく品質管理は特に厳重に行っている。製品のほとんどが、顧客ごとに異なる受注生産品であり、「内袋といえばNTフィルムというメーカーになり、産業社会に貢献する」ことを目標としている。2014年に豊橋の株式会社めいせきを吸収合併し、現在、大阪、豊橋、東京、福岡に事業部・営業所を展開している。

創業
2009年
本社
福井
URL
https://www.ntfilm-japan.com/