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日本プラスチック工業連盟誌「プラスチックス 5月号」に当社社員の記事が掲載

2013年5月22日

日本出版工業株式会社発行の日本プラスチック工業連盟誌「プラスチックス 5月号」のコンバーティング特集に当社社員の記事が掲載されました。是非ご一読ください。

「プラスチックス 5月号」【 特設記事 】 コンバーティングの最新トピックスを追う
コンバータ企業向け パッケージソリューション
コンバーティング企業向け基幹業務システム「UP-One/converter」

株式会社宇部情報システム
営業本部 営業企画室 スペシャリスト
左野 寿英

1. はじめに

当社は、1983年に総合化学メーカーである宇部興産株式会社の情報システム部門から独立した情報処理企業で製造業を中心とする業種・業務へ事業展開をしている。
企業の様々なビジネスシーンにおいて業務・管理面の問題解決のご提案から、それを実現するシステムの開発及び運用までをトータルなサービスのソリューションを行なっている。
そのソリューションの1つとしてコンバータ企業(高機能フィルム加工、軟包装フィルム加工)向けのパッケージシステムがある。

近年のコンバータ企業の取り巻く環境は厳しいものとなっている。
経営環境、お客様、同業他社、仕入先、市場の中にさまざまな経営課題が存在する。
このような経営課題を抱えた上で「お客様への満足度や信頼度を向上し売上の確保」あるいは「コスト低減による利益確保」を目指して更なる経営情報の見える化、生産性の向上や営業活動の効率化のために日々努力を重ねられておられることと思う。

このような課題解決をする上で情報技術(IT)の活用は、有効な手段として必要不可欠となる。
長年の間に経済環境が変化していくと企業はそれに合ったビジネススタイルを取り成長していかないと存続はできない。それと同じで情報技術も早いスピードで変化しており、いつまでも数年前の情報システムを利用することは企業にとって有効な手段とは言えず、あるタイミングで情報化戦略の見直しをすることが必要である。

当社が行なっているフィルムの製造や加工企業向けソリューションの沿革と導入実績は以下の通りである。

  ソリューション 導入実績
1988年~ フィルムの原反製造加工企業向け基幹業務システム 60社
2004年~ コンバーティング企業向け基幹業務システム
(軟包装フィルム加工・ラミネート加工)
30社

これらの企業に数多くにソリューション提案や導入した経験と実績から2012年11月に高機能フィルム加工企業向けの基幹業務システムや生産管理システム及び原価管理システムの単独販売を新たにリリースした。
これらコンバータ企業の「ソリューションの特徴」、「情報化戦略」、「経営課題の解決」、「情報システムの導入効果」を紹介する。

2. ソリューションの特徴

高機能フィルム加工、軟包装フィルム加工・ラミネート加工の特有な生産形態や業務や仕組みを網羅して企業の核となる基幹業務をシステム化している。

1. ソリューションの主な特徴

(1)コンバータ企業専用のパッケージ

  • 業界の業務全般に特化しており親和性が高い
  • 特有な生産形態に対応

図1:ソリューションが対応している生産工程
図1:ソリューションが対応している生産工程

(2)全社システムを構築

  • 販売部門や生産部門の情報の一元化と共有化
  • 導入スケジュールの短期化
  • 導入コストの削減
  • カスタマイズに対応

(3)企業のニーズにあったパッケージ導入パターンを選択

  • 基幹業務システム(販売、購買、生産、在庫、原価、経営、版)
  • 生産管理システム
  • 原価管理システム

(4)業界・業務に詳しい営業・システムエンジニアが導入や運用をサポート

  • お客様に負担が少ない導入
  • 業界企業様への導入実績と経験が豊富

(5)大切なアフターケアサービス

  • サポートセンターを設置し、専任のシステムエンジニアが対応

2. パッケージに装備する機能

  1. 販売管理:受注、出荷・売上、売掛・請求、クレーム、予算
  2. 購買管理:発注、仕入、外注、支払・買掛
  3. 生産管理:生産指示、工程計画、生産実績
  4. 在庫管理:在庫照会、入出庫、棚卸し、在庫評価、ロットトレース
  5. 版管理:発注、入荷・仕入、各種検索(改版、落版、兼版)、版台帳
  6. 原価管理:標準原価、実際原価
  7. 見積管理:見積
  8. 経営管理:データ分析系システム(BIツール)と連携
  9. 環境対策:容器包装リサイクル法、PRTR法

図2:ソフトウェア構成図
図2:ソフトウェア構成図

3. 軟包装フィルム加工の特有な機能

(1)工程管理

  • グラビア印刷、ラミネート、スリット、製袋の工程計画と実績が把握できる

(2)グラビア印刷工程

  • インキ配合、シリンダ、原紙の実績管理ができる

(3)ラミネート工程

  • ドライ、押出し、ウェットの各種製法に対応している

(4)原紙管理

  • 原紙の発注・入荷の単位(m2、連、Kg、cc)に対応している
  • 原紙手配や購入の先方紙、代幅、代用品に対応している
  • 原紙の納期管理ができる
  • 原紙手配の際、在庫引当に対応している

(5)クレーム管理

  • クレーム情報のデータベース化している

(6)地域に合った生産形態

  • 一貫生産型と委託生産型の両方に対応している

(7)版管理

  • 改版、転用、落版処理ができる

(8)環境対策

  • 容器包装リサイクル法とPRTR法の報告資料作成支援ができる

4. 高機能フィルム加工の特有な機能

(1)試作

  • 試作品の仕様と生産条件が登録できる
  • 試作品受注で数量売りと時間売りができる
  • 試作の繰り返しと履歴管理ができる
  • 試作から量産への製品情報を移行できる

(2)工程管理

  • 調合・コーティング・エージング・検査の各工程の計画・実績が把握できる

(3)調合工程

  • 塗布材、溶剤の配合比率や調合仕様の管理ができる

(4)検査

  • 検査項目がユーザで設定できる
  • 定性判定や定量判定もできる
  • 検査記録の管理ができる

(5)有効期限管理

  • 原反・溶剤等の在庫管理と有効期限管理ができる

5. 軟包装フィルム加工と高機能フィルム加工の共通な機能

(1)原価管理

  • 標準原価と実際原価の機能を標準装備し原価の差異分析ができる

(2)経営管理

  • データ分析システムの連携により自社の経営情報を分析することができる

3. 情報化戦略

ここでは、一般的な企業の経営課題の解決で情報化戦略を立案するポイントを紹介する。
情報化戦略の意味は、「経営戦略と整合性を保ち、企業全体の情報化をどのような方向性で中長期的に推進するかを検討する」が一般的な解釈とされている。
経営戦略を実現するには、販売戦略、マーケティング戦略、財務戦略等がある。その1つとして情報化戦略もある。情報化戦略はあくまでも経営戦略の1つでありそれだけを進めても部分的な効果しか出てこない。
これら戦略の効果を出すには情報の活用化が不可欠である。

情報化戦略を行なう上でどのようなことが必要になるかと言うと「業務プロセス(仕方)の見直し」と「ソフトウェアの再構築」となる。その他にはハードウェアやネットワークインフラ整備等がある。
これらの戦略内容を遂行する上で重要なポイントは以下となる。

・ ビジネスモデル(効率化、収益性)の立案
企業がどのような事業をどのような組織でどのような業務をすれば利益が出るか仕組みを策定する。
・ 企業内の統合性と整合性
社内全体を巻き込んだ検討が必要で業務の統一性と情報の整合性を図る。情報の一元化と共有を有効目的する事で効果を発揮できる。
・ ハードウェアやネットワークの有効活用
スマートフォンやタブレットPCを利用し機動性のある運用で業務の効率化を図る。クラウドコンピューターの運用でネットワークを通してデータをオンラインで管理、編集、共有する。危機管理対応する上でも効果がある。

4. 経営課題の解決

冒頭に記述した取り巻く経営課題に対して早急に解決しなくてはいけないのは大きく以下の2つと考えられる。

(1)顧客に対しての納期
顧客からの受注に対して迅速かつ正確な納期回答と納期厳守が信頼を勝取り満足度を上げる。
納期に関する課題の解決するポイントは、原紙の納期管理、原紙在庫の把握、使用する版の有無と使用状況、工程や製造機械の計画状況や負荷状況、受注の生産進捗状況等を正確に把握して生産計画調整と納期計算ができる仕組みが必要となる。
(2)企業の収益
見積や受注の精度の高い採算性と製造現場における生産コストの削減が会社の収益をアップさせる。
収益に関する課題の解決ポイントは、見積と受注の適正な粗利計算、原材料(原紙・インキ溶剤等)の価格変動対応、標準原価の原価要素、実際原価の把握、受注や品目単位での原価差異分析、正確な生産実績、柔軟な生産計画調整等の原価管理や生産管理に関する仕組みが必要となる。

5. 情報システムの導入

経営課題を解決する上で情報システムを装備し運用することが大きな手段の1つとなる。
情報システムの導入については、一から自社オリジナル用に要件を検討、設計、開発する個別開発手法と汎用的なパッケージシステム手法の2通りのやり方がある。

個別開発手法とパッケージシステム手法を比較した場合、一般的に個別開発手法はシステム導入検討(要求事項や機能仕様のまとめ)、システム導入開発(プログラムの設計・開発・テスト)が長期化となり本番運用が遅く導入コストも高額増大化する傾向となる。できるだけ早く導入効果を期待する企業側としては業務の面や色々なところで負担が大きくなる。本番運用後も運用サポート面で不安を抱えることも多々ある。これらからパッケージシステムを採用されるケースが最近多くなってきている。

パッケージシステムは、ERPシステム(統合型基幹システム)や生産管理システムといわれるものが世の中に数多く存在する。しかしながら、それらは加工組立業向けとして汎用的に作られているものが多くコンバータ企業の業務に適合は難しい。そのようなシステムをコンバータ企業向けに機能追加や修正をして運用されている企業は、システムのカスタマイズによる高額なシステム導入費用や操作面や機能面、サポート面で課題を抱えている。

コンバータ企業の特有な業務形態を装備しているかどうかがパッケージシステムを選定ポイントの1つである。同様にコンピュータ企業の選定も軟包装の業界や業務に精通し、サポート体制、プロジェクト管理スキルとリーダーシップのあるシステムエンジニアを評価ポイントと見ることが必要である。
企業内で「システム導入の目的・目標(ビジョン)」と「システム導入・運用の体制(プロジェクト)」を明確にすることが最重要である。もし、不明確なままでスタートをするとスケジュールの遅延、導入費用の増大、機能の低下等を招き当初のシステムの導入効果に大きな影響を与える。
それ以外にも以下の内容もシステムの導入効果に影響する要因なので検討して頂きたい。

  • 経営トップの推進力
  • 基幹業務システム(統合型)の整備
  • システム化投資の意思決定と投資の意識改革
  • システム導入責任者(プロジェクトリーダー)のパワーと決断力
  • 業務プロセスの標準化と改善
  • システムを運用する使い手の意識改革

上記の内容に沿って「情報の一元化」、「情報の共有化」の基幹システムを構築することで企業の「課題解決」と「見える化」を実現することになる。

6. おわりに

当社は、コンバータ企業の抱えるさまざまなビジネスシーンにおいて、業務・管理面の課題解決の提案から、それを実現するシステムの開発及び運用までをトータルなサービスで支援できる。
キャッチフレーズは、『経営の悩みを一発解決!』である。
今後も、微力ながらコンバータ企業の発展に寄与できるよう努力していく所存である。

お問い合わせ先

株式会社宇部情報システム 営業本部 営業企画室
〒755-8622 山口県宇部市相生町8-1 宇部興産ビル14階
TEL:  FAX:0836-22-0113

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