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生産管理業界特化型 統合基幹業務システム利用のススメ ~ 製造業における生産管理のDX化が必要とされる理由 ~

2023.06.16
ソリューション営業部 新保 弘

こんにちは!宇部情報システム ビジネスシステム本部 ソリューション営業部の新保です。
今回は「業界特化型 統合基幹業務システム利用のススメ」というテーマでお話をさせていただきます。

近年、原材料の高騰や人材不足など、さまざまな要因で業務システムの導入をご検討いただくことが多くなってきています。国も補助金を給付することで、システム化を後押ししています。
そういった中でみなさまが、システム導入をするうえで、どのような視点に基づいて比較検討を行うべきかお話しします。

システム選定のポイント

業務システムを選定するためには、まず2つのポイントを考える必要があります。一つは「出来合いのものを選ぶのか、一から手組みするのか」。もう一つは「どこまでの業務範囲を対象にするのか」です。
今回おススメするのは、「出来合い」は「出来合い」でも業界専用に作られ、かつ生産管理・販売管理など広い業務範囲をカバーする「基幹システム」である、「業界特化型統合基幹業務システム」です。漢字で書いても長くて嫌になりそうですが(笑)、それぞれの特長を見ていきたいと思います。

はじめに「業界特化型」ですが、これは文字通り、特定の業界専用に構築されたものを指します。
例えば、プラスチック製造加工業界、建設業界や薬品製造業界などです。また、「業界特化型」の他に「汎用型」、「スクラッチ型」があります。「汎用型」は業界問わず利用できるものを指し、「スクラッチ型」は、企業ごとに要件を聞き、1から作るフルオーダーシステムを指します。それぞれメリットとデメリットがありますので、「導入期間」「業務適用度」「導入費用」という3つの軸で比較評価してみました。

各タイプの比較
各タイプの比較

システム導入決定から実際に業務で使用するまでの導入期間について、「業界特化型」は◎、「汎用型」は△「スクラッチ型」は×と評価しました。
「業界特化型」は業界に合わせたシステムをベースに利用企業からの要望を追加するため、期間は他と比べて短期間で導入が可能です。「汎用型」はベースはありますが業界特有の機能がないので、利用企業からの要望に加えて、業界特有の機能も追加する必要があります。そのため、「業界特化型」よりも導入期間が長めになります。「スクラッチ型」は、1から要件を聞いて構築するため一番期間がかかります。

業務にどれだけフィットしているかの業務適用度については、「スクラッチ型」は◎、「業界特化型」は○、「汎用型」は△と評価しました。
「スクラッチ型」は利用企業の要求通りにフルオーダーで構築するので、適用度は最も高くなります。「業界特化型」は業界に合わせたシステムとなっているので、業務適用度は高いのですが、フルオーダーの「スクラッチ型」よりは若干適用度は劣ります。「汎用型」は汎用性を持たせているので、各業界の業務や各社の業務への適用度は低くなります。
導入費用については、「業界特化型」は◎、「汎用型」は○、「スクラッチ型」は×と評価しました。
「業界特化型」は業界向けのシステムをベースに利用企業からの要望をカスタマイズするので、カスタマイズボリュームが少ないケースが多く◎としています。「汎用型」は業務をシステムに合わせることができれば、費用は抑えられます。「スクラッチ型」は何もないところからシステムを利用企業の要求に合わせて構築するので、どうしてもコストが膨らみやすくなります。

以上のことから、3つの軸から評価し、「業界特化型」をお勧めしたいと思います。

「業界特化型」システムの長所

「業界特化型」のメリットについてもう少し深堀りしてみましょう。

導入期間が短い
業務に必要な基本機能は既に持っています。「Fit&Gap分析」を行い、必要な機能のみカスタマイズすればよいので、短期導入が可能です。
システムに業務を合わせることで業務フローの見直しができる
「業界特化型」は今までの導入実績をもとにシステム化されているので、業界の業務標準機能が備わっています。1から構築するスクラッチ型」と比べると「各社の現状業務に対する適用度」は低いものとなります。この「現状業務」というところがポイントになります。
「今の業務フローが効率的かどうかわからない」というお客様が多くいらっしゃいます。それはその通りで、他社の業務フローやシステムを見たことがある方は少ないからです。つまり、「業界特化型」システムに業務を合わせることで、今の業務フローの見直しが行えることはメリットの一つです。
ベンダーは業界に精通しているので要望を的確に把握してくれる
「業界特化型」システムを提供しているシステムベンダーは、専門用語や業務フローなど業界に精通しているので、利用企業の要望を的確に把握できます。その的確に把握した要望を機能に反映することで、業務にフィットしたシステムを提供できます。
実績豊富なベンダーに委託することで、導入後のシステム運用等も相談できるため、より業務改善がはかれるでしょう。
余談ですが、以前当社で行ったアンケート調査では、「システムの満足点・評価点」について「業務を理解した担当者が相談に対応してくれる」点が一番評価されていました。
利用中システムで満足している点・評価している点(複数回答)
利用中システムで満足している点・評価している点(複数回答)

システム化動向を調査したレポートはこちらから無料でご覧いただけます。

導入費用が結果的に安い
「スクラッチ型」は1から構築するので高額ですし、「汎用型」は業務に合わせようとするとカスタマイズボリュームが増え、高額になる可能性があります。それに比べ、「業界特化型」は不足している機能のみをカスタマイズするだけで利用できるため、「スクラッチ型」と比べて低コストに収まる傾向があります。

「統合基幹業務」システムの長所

さて、ここまでは「業界特化型」システムについてのお話でしたが、続いては「統合基幹業務」システムについて、お話しさせていただきます。

「統合基幹業務」システムとは生産管理・販売管理・購買管理など、一連の業務に必要な機能が搭載されたシステムのことを指します。

販売管理と生産管理のシステムが分かれている場合は、必要に応じてどちらかのシステムを確認する必要がありますが、「統合基幹業務」システムのメリットは、全社で共通システムを利用することでデータが同じシステムに集約されるため、在庫や生産進捗など簡単に状況が把握できることです。また、システム間の連携が不要なので、バッチ処理などによる時間差(タイムラグ)がなく、リアルタイムでデータを確認できることもメリットです。
このような「統合基幹業務」システムですが、カバーしている業務が多いので、価格も「販売管理システム」や「生産管理システム」よりも高額になりやすい傾向にあり、以前は大企業が導入するシステムというイメージがありましたが、近年その状況は変化しています。

当社実施のアンケート調査では、統合基幹業務システム利用企業の3割強は売上規模20億円未満の企業でした。以前は外国製の統合基幹業務システムしかなく、高額であったため、「大企業にしか使えないシステム」でしたが、現在は日本製で値ごろな統合基幹業務システムも多数ありますし、またクラウドで利用できるシステムも増えてきていますので、以前よりは安価に利用できるようになっています。

統合基幹業務システム利用企業 売上規模
統合基幹業務システム利用企業 売上規模

「業界特化型」「統合基幹業務」システムをオススメしているわけですが、当社が提供している「UP-One」がまさに「業界特化型」の「統合基幹業務」システムですので少しだけご紹介させてください。

1988年にリリースし今年で35年目を迎える「UP-One」。コンバーティング業やフィルム製造加工業専用のシステムです。導入企業数は110社を超え、北海道から沖縄まで全国でご利用いただいています。自社にサーバを設置し利用することもできますし、当社のデータセンターを利用することも可能なシステムです。

業務範囲は販売から購買、生産在庫、原価に加え、この業界特有の印刷に必要な版も含まれています。「UP-One」はフィルムの製造・加工の工程、インフレ、印刷、ラミネート、スリット、製袋の工程のマスタや機能を持っています。

工程情報としては下記の項目を標準で持っています。

  • インフレ…厚み、巾、巻長さ、単重、層比、原料配合など
  • 印刷…シリンダー円周、巾、出し方向、色数、版情報など
  • ラミネート…加工方法(ドライ、ノンソル等)、エージング方法など
  • スリット…加工方法(丁取り数)、端尺、継ぎ方法、回数など
  • 製袋…加工方法(三方、合掌など)、ノッチ(V、I、U)など

また、業界特有である原紙の仕入単位「m、本、巻、kg、cc、連、m2」などを標準で用意しています。印刷やラミネート、スリットは「m」で管理するが、製袋工程後は「枚」で管理することが必要になりますが、このような単位が異なる場合の工程管理も標準機能として用意しています。その他、業務に必要な情報を持たせるマスタや機能が複数あります。

そんな「UP-One」から2023年4月にプラスチック加工業向けのシステムをリリースしました。押出しや成型、金型管理などこちらも業界の業務に対応しています。
ご興味ある方、今後導入検討始める方は、こちらからご連絡ください。

冒頭にもお話しましたが、近年、原材料の高騰や人材不足など、さまざまな要因でシステムの導入をご検討いただくことが多くなってきています。今回はお話しできませんでしたが、システム検討する際のポイントや、導入中の注意点などもお伝えできると思いますので、何かお困りごとがありましたらお気軽にご連絡ください。

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