コラム

生産管理部材の納入遅延に対するリカバー案

2023.06.02
ソリューション営業部 香月 孝太

顧客は待ってくれない

現在、軟包装業界では、フィルム原反の供給が間に合っておらず、納期が未定の状態が続いている。
以前は、ラミネート用の酢酸エチルが不足しており、生産が止まっている企業が多くおられた。現在は、フィルム原反の原料である石油の高騰により、各社各様の対応に追われている。

しかし、顧客は待ってくれない。

世界的なCOVID-19の影響が残るものの、消費者物価指数に基づけば、10大費目である「食料」の外食、調理食品の寄与度が大きく上がっている。下落傾向のある宿泊料についても、旅行支援や外国人観光客の受け入れ緩和により、上昇傾向となれば、お土産品などの需要も上がるだろう。そんな中、フィルム原反がないために、製品を作れない状態に陥っている。

生産現場

原材料が入ってこない。いつ入ってくるかわからない。入ってきたものがどの受注に紐づいているかわからない。そういったことに困らされるのは、工場の生産をコントロールする生産計画担当者だ。
顧客からのオーダーに対して、部材の入荷予定が立たないことで納期が回答できない。いつ生産するかを決めることができず頭を抱えている。

しかし残念ながら、部材の入荷遅延問題をすぐには解消できない問題である。そうなると、いかに生産計画担当者の負担を軽減できるかが、企業の生産性向上のカギだと筆者は考える。
部材の管理は、多くの場合、基幹システム(ERP)で在庫管理を実施しているであろう。

生産スケジューラとは

皆さんは、部材の入荷情報を連携し、入荷後の生産計画を決めてくれる生産計画スケジューラーというシステムをご存じだろうか。
当社では、1994から生産計画システムの導入に携わっている。現在取り扱っているシステムは、株式会社フレクシェが開発したFLEXSCHEである。

FLEXSCHEの特徴は、次の2点だ。

  • 多様な製造業のニーズに適応するための柔軟性
  • 永く使い続けるための使いやすさ

FLEXSCHEでは、オーダー情報を資源(機械・人)、製造工程、資源の稼働時間(カレンダー)、生産能力などのマスタとスケジューリングルールを基に生産計画を立案する。

FLEXSCHEのオーダーガントチャート
FLEXSCHEのオーダーガントチャート

FLEXSCHE EDIF(外部データインターフェース)という機能を利用すれば、基幹システム(ERP)と連携し部材の入荷情報も取得が可能である。
これにより、部材の入荷日時以降に作業が開始となる計画を立案することができる。
Excelやホワイトボードなどで計画されている場合、1つの計画変更が他の作業に影響を及ぼせば再計画を余儀なくされるが、FLEXSCHEであれば、ルールに基づいてすべての作業を調整してくれるため、計画担当者の作業負荷は軽減される

現在の計画業務に対する課題と成りたい姿を想像し、課題解決の一つとして計画業務のシステム化を検討してみてはいかがだろう。

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