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品質検査とは?外観検査自動化のメリットを解説

品質検査

品質とは、顧客が要求する性質や性能を指します。顧客の品質基準を満たすことで商品が選ばれ、売上につながるため、製造業で品質管理は重要な業務です。それだけでなく、品質が基準を満たさない製品を流通させてしまうと、社会的信用を失い、経済的な損失を生むことさえあります。品質は企業の価値になると同時に、適切に管理しなければ大きなリスクにつながってしまうのです。そのため、製造業において品質検査は不可欠な工程となっています。
本記事では、製造業でどのように品質管理がおこなわれているかを解説した上で、外観検査を自動化するメリットについて紹介します。

1. 製造業でおこなわれる品質検査とは

品質検査は、製造物の品質を検査する工程で、品質・機能を保証する目的でおこなわれます。品質検査により不良品の流通を防ぐことで、トラブルを未然に防ぎ、製品や企業ブランドの価値・信頼性を維持できます。また、品質検査の結果をフィードバックすることで、製品の性能や製造プロセスの改善につなげることも可能です。

外観検査と機能検査

品質検査は「外観検査」と「機能検査」の2つに分類できます。外観検査は、その名の通り製品や部品の外見上の欠陥をチェックします。傷や汚れ、欠け、異物の混入、印刷ミスなどがないかを検査します。機能検査は、製造物が仕様どおりに機能するかの検査です。利用時と同じ環境で動作するかを確認するほか、気温、湿度、気圧など過酷な状況下でも不具合が起きないかのテストもおこないます。

品質検査の実施方法

品質検査の項目や方法は、業種や製品により異なります。外観検査では、人の目による目視検査もしくは外観検査装置を利用した画像検査によって不良品を判別します。機能検査でも人による官能検査、検査装置を使った検査が目的に応じて選択されます。検査方法として、すべての製品をチェックする全数検査と、一部の製品のみをチェックする抜き取り検査があります。どちらの方法にもメリット・デメリットがあり、顧客からの要望と、企業のキャパシティに応じて選ぶことになります。

2. 品質検査のメリット・デメリット

品質検査は、製品や部品の品質を保証するための重要なプロセスです。信頼維持だけでなく、不良品が流通した場合の社会的・経済的リスクを防ぐ効果もあります。一方で、品質検査にはデメリットも存在します。品質検査体制の導入や見直しをおこなう場合、目的・成果を理解し、自社に最適な方法を検討する必要があるのです。

品質検査の目的

品質検査の主目的は、製品・部品の品質保証です。外観や機能が仕様を満たしているか、顧客の要望に応えられているかを検査により判定します。
万が一、不適合品が流出した場合、製品の回収・再製造にはコストがかかるだけでなく、信頼を失うことにもつながります。また、人の健康や命を害する欠陥だった場合、事業の継続に関わる問題となることも考えられるのです。出荷前に不良品を発見し、流通を防ぐことは品質検査の重要な役割です。

品質検査のメリット

品質検査には不良品の流通を防ぎ、トラブルを避けられる以外にもメリットがあります。それは信頼性の獲得です。顧客の満足する製品を提供することで、商品や企業に対する信頼が生まれます。
また、品質検査により欠陥が発見された場合は、改善により質の向上に繋げることが可能です。製造プロセスなどに問題があった場合は早期に対応することで、将来の不良品の発生を予防できます。
さらに検査データを品質管理以外の部門にも展開し、活用することができます。問題を発見することで、設計や素材の見直しや、製造プロセスの改善など、製品品質の向上や生産効率アップに活かすことができるのです。品質検査に力を入れることは、事業への長期的なメリットも期待できます。

品質検査のデメリット

品質検査は重要な工程ではあるものの、検査の実施には人件費や専用の設備など大きなコストがかかります。また、品質検査にかかる期間は生産のリードタイムに影響するため、品質管理のスピードは生産量へ影響を与えます。
品質検査の基準を上げれば製品の質は上がるものの、ロスが増え、原価率の悪化につながるので、適切な運用が不可欠です。製造プロセスの中でいかに最適化・効率化していくかが重要となります。

3. 品質検査自動化の重要性

品質検査、特に外観検査の自動化は、製造業の生産性向上の手段として注目されています。

  • 働き手の不足による人材獲得、教育コスト増への対策
  • 製造プロセスの自動化への対応
  • 顧客の要求水準の高まり

など、品質検査においても従来の方法を見直す流れが強まっているためです。また、画像処理技術や画像センサの進化も品質検査自動化を後押ししています。

画像認識の活用による外観検査自動化が進む

これまで人の目で判断していた欠陥を機械によって発見するために活用されるのが、画像認識技術です。事前にコンピュータに良品・不良品の画像を大量に学習させ、検査対象物から不良品の特徴を検出した場合、不良品の判定をおこないます。

機械学習を画像認識技術に利用することで、学習用の画像データを用意すればコンピュータが自動で学習を進められるようになり、導入のハードルが下がりました。さらにより高度なディープラーニング(深層学習)によって、検査をおこなうほど精度が向上していき、従来機械では難しかった判定も対応できるようになりつつあります。

外観検査装置を用いた品質検査自動化

外観検査装置とは、製品・部品の品質を検査するための装置です。検査対象物の表面を撮影するカメラと、撮影した画像データを処理するソフトウェアで構成されるのが一般的です。製造ラインに組み込む全自動タイプや、検査品を人の手で投入するような手動の装置もあります。製造物や検査体制、検査基準に応じて、カメラの機能や精度、画像処理システムを選択する必要があります。

4. 品質検査自動化によって期待される効果

品質検査の自動化によってさまざまな効果が期待できます。

人手不足の解消と人件費削減、検査精度の向上、検査タクトの向上

人手不足への対応と人件費削減効果

目視検査は初期設備投資が少なくてすむものの、人を雇用する人件費や、教育費が必要となります。働き手不足が深刻化する中で人件費が高騰を続けているため、将来的な負担はさらに大きくなることが予想されます。
自動化を進めることで、長期的な目で見たコストダウンが可能となります。

検査精度向上の効果

人による検査から機械による検査へシフトするメリットは、検査精度にも現れます。画像認識による検査は、良品・不良品の判定基準を均一化できるため、目視検査で発生する「人による判断のブレ」や「ヒューマンエラーによる見落とし」を防ぐことができます。また、画像認識では人が検知できない誤差を判別できるので、検査精度の向上にもつながります。検査精度のブレがなくなり、人より高精度の判定ができる点が外観検査自動化の魅力です。

検査タクト向上効果

省人化・自動化は製造業全体の生産性向上のために重要な目標となっています。大量生産に対応できる検査の高速化や、検査項目や基準の頻繁な追加・変更の発生、多品種少量生産のニーズ増加など、人による品質検査体制では追いつけない状況が生まれているのです。
企業・消費者の品質への関心の高まりもあり、全数検査を求められることも少なくありません。品質検査の自動化は競争力を高める手段にもなるのです。

5. URCPを導入して品質検査の精度を高めた事例

ある電子部品メーカー様から納入先の品質要求が厳しくなり品質検査の精度を高めたいというご相談をいただきました。電子部品の傷やクラックを検出する検査です。既存の外観検査装置では微小なクラックや浅い傷が認識できないという課題がありました。

宇部情報システムのURCPはこれまで培ってきた外観検査における画像処理ノウハウをパッケージ化したものです。今回のケースでは画像処理と合わせて「撮像」を工夫する必要がありました。微小クラックや浅い傷を認識するために、照明メーカーと協業して特注の照明を開発しました。そこで撮影した画像をURCPの画像処理技術を用いて解析することで、納入先が求める厳しい品質基準をクリアする品質検査システムを確立しました。

検査品質向上、検査タクトの向上等、品質検査でご要望がございましたらお気軽にご相談ください。

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