外観検査に活用される画像処理システムの仕組みを解説

製造業の品質管理で重要な工程である外観検査。省人化による生産性向上や品質向上を目的として、従来の目視検査から、画像認識技術を活用した外観検査装置を用いた自動化が進んでいます。

  

画像認識による外観検査にとって不可欠なのが画像処理です。本記事では画像処理による外観検査の仕組みを解説します。

画像処理とは

画像処理とは、画像に対して情報工学的に処理をおこなうことです。画像処理はさまざまな分野で利用されており、AIや機械学習技術の発展により高度化が進んでいます。
画像処理が外観検査自動化にどのような役割を担っているかを解説する前に、画像処理について紹介します。

画像処理の種類

画像処理にはいくつかの種類があります。

  • 明るさや色、コントラストを補正する画像補正
  • カラーから色成分を抽出してグレースケールへ変換
  • ノイズの除去、輪郭の強調などの画像加工
  • 画像の特徴抽出、対象物の特定をおこなう画像認識
  • 3次元画像処理

などに分類されます。

画像処理の仕組み

人が目視でおこなっていた外観検査を自動化する場合、カメラや画像センサと画像処理ソフトウェアを組み合わせたシステムを利用します。

仕組みとしては、事前に良品・不良品の画像を用いて学習させます。検査対象をカメラで撮影し、画像処理装置で分析をおこない傷や汚れなど不良品と合致する特徴があった場合には不良品と判断します。

画像認識に画像処理が不可欠な理由

人の目とコンピュータは画像を認識・判断する仕組みが異なります。そのため、検査対象の画像データは、コンピュータが解析しやすいように手を加えなくてはいけません。

外観検査に画像処理を利用する場合、撮影した画像データそのままでは特徴がうまく抽出できない場合がほとんどです。このような場合、照明の調整やカメラの画素数・分解能の見直しなどハード面の改善をおこなうことも対策の一つです。しかし、ハードの改善だけでは対処できない場合、分析に利用できるデータに加工する必要があります。前処理をおこなうことで、判定に使う特徴を抽出しやすくします。

画像処理のアルゴリズムは業種や検査対象製品、製造プロセスにより最適なものが異なるため、自社に合った画像処理システムを選択する必要があります。

       

外観検査自動化での画像処理の役割

画像処理は画像認識の精度を高めるために重要なプロセスです。検査のために撮影される画像は不要なノイズ等を含んでいるため、そのままでは正確に判定できないことがあります。また、照度や撮影角度など、画像認識結果に影響を与える要素を調整する必要があります。

画像処理による外観検査の流れ

画像処理を用いた一般的な外観検査の流れは下記の通りです。

1.画像データの取得

外観検査をおこないたい対象物の画像データをカメラで撮像。
様々な種類があるカメラ・レンズ・照明を最適に組み合わせることで、必要な検査項目に適した画像を取得できるように撮像します。

2. 前処理

画像の特徴を安定して抽出するために前処理をおこないます。
※前処理例:ノイズ除去・エッジ強調などのデジタルフィルタ

3. 計測(二値化)

前処理が終わった画像を白と黒のみの画像に変換する二値化をおこないます。
二値化をおこなうことによって画像判定等の処理速度を向上させることが可能です。
また、二値化処理が終わった画像に対して、検査項目に沿った特徴量計測をおこないます。
(例:色素・明度・個数・面積・角度・幅・高さ・周囲長・穴の数など)

4. 判定

二値化した画像に対して検査項目に関するしきい値を設定し、それに基づき画像の良否(良し・悪し)判定をおこないます。

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画像処理の精度が検査に影響

画像処理が適切におこなわれない場合、適切な判定を下すことができません。欠陥の見落としが発生すると、不良品の流通につながります。また、良品を不良品と判定してしまえば、ロスの増加や再判定が発生することによるコスト増加につながります。

外観検査で利用されるカメラは、人が目で見るように柔軟な判断は困難です。たとえば、照明の具合で明るさが不均一な場合、色が飛んでしまい不具合と判別されることがあります。逆に、傷や汚れの検出感度が高すぎるために、良品をNG判定してしまうこともあります。不適切な判定が増えると、人による追加の検品が必要になり、製品のロスにつながります。

そのため、システムが正しい判定をできるよう適切に画像処理を加える必要があるのです。

画像処理技術をパッケージ化したURCP

宇部情報システムは得意とする製造業向けソリューションを中心に、お客様のあらゆるビジネスシーンにおいて、システムの提案から開発、運用、保守に至るトータルサポートをワンストップでご提供します。

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URCPは外観検査で用いられる画像処理(画像補正、粒子解析、フィルタなど)をパーツ化しています。複数の画像処理を掛け合わすような複雑な検査でも、直感的なマウス操作のみで簡単に実現可能です。また、よく使われる画像処理の組み合わせパターンをテンプレートとして登録していますので、目的の検査に近いテンプレートを選択し、一部分のみをカスタマイズして自社の検査に最適化する、といった使い方も可能です。

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