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宇部情報システム
宇部情報システム

Case
導入実績

自社製品の稼働監視にSAILESSを導入、1番の課題であった属人化が解消されました。 また、異常予兆検知のおかげで、突発停止などのトラブルは皆無に等しい状況となりました。

大阪ガスリキッド株式会社様

大阪ガスリキッド株式会社
水素ソリューション部 H2 技術チーム マネジャー 冨士川 隼 様

冷熱を活用した産業ガスを提供している企業

- 貴社について教えてください。

親会社である大阪ガス株式会社が都市ガス原料として液化天然ガス(LNG)を輸入していますが、液体である液化天然ガスを気体へと変化(気化)させる際、周囲から熱を得て冷却する膨大なエネルギー(冷熱)を、産業ガスの製造に活用しようということで、産業ガスを取り扱う会社として当社は設立いたしました。その後、今回 SAILESSを導入させていただいている HYSERVE(ハイサーブ)などの事業も起こり、現在に至ります。

- 「安心・手間いらず」がモットー!HYSERVEについて教えてください。

HYSERVEは、水素製造装置です。主に半導体関連企業や金属業種等、水素を利用する企業に導入していただいています。水素は一般的には、販売元のプラント(工場)からタンクローリーで運ばれますが、まれに交通渋滞やトラブルに巻き込まれ、水素供給に支障が出ることがあります。 HYSERVEは、その場で水素を製造する言わば小さなプラントなので、輸送のリスクがありません。また、運ばれてきた水素の受け入れだけでも、水素を取り扱うための国家資格が必要ですが、HYSERVEは高圧ガス保安法適用外の圧力下で稼働させるので取扱資格が不要です。
HYSERVE導入後は、当社がメンテナンスから不具合対応まで実施しています。まさに「安心手間いらず」なのです。

- HYSERVEの特長に「24時間AIが運転状況を確認」とありますが、その部分にSAILESSを活用されているのですか?

そうです。もともと監視は、人の目でデータを見て判断し対応していました。しかし、特定の人に依存し、負荷も高い状況で、この先安定した保全サービスを提供し続けるのは容易ではありません。それで、宇部情報システムさんに依頼することになったのです。

宇部情報システムはプラント関連システムの構築の実績が豊富で、話が早かった!

- 宇部情報システムに依頼された背景をお聞かせください。

大阪ガス株式会社エネルギー技術研究所に相談したところ、お付き合いのあった宇部情報システムさんを紹介されました。宇部情報システムさんは化学プラント関連のシステム構築の実績もお持ちで、他のシステムベンダーより話がスムーズに進むのではないかと思いました。実際、P&ID*を見ていただくと、すぐに理解していただけました。 それで、本格的に宇部情報システムさんで話を進めさせていただきました。
* Piping & Instrumentation Diagramの略。配管計装図。プラントの配管や装置の連携を専用記号で示した図面。

冨士川様

「専門用語がすぐ伝わりました。」(冨士川様)

属人化で、将来的に安定したサービス提供が厳しいと判断

- SAILESS導入前の課題を教えてください。

HYSERVEの監視・稼働データ確認・対応判断業務の属人化です。データを確認し、異常の傾向が見られたら対応するのですが、異常値の判断は特定の少数の人にしかできません。その状況下でHYSERVEの導入台数が増えてくると処理しきれない、不具合兆候を見逃す可能性もあり、お客様に均一な保全サービスを提供するためにはシステム化をしなければいけないと考えました。各導入先に設置したHYSERVEのデータを遠隔で確認できるシステムはありましたが、異常値を判断するのは人間、しかもごく少数の人です。稼働傾向の確認も、システムを起動し、CSVデータを引っ張り出してExcelでグラフを作成して判断していたので手間もかかっていました。

実務経験が浅い若手でも対応でき、属人化は解消された

- SAILESS導入後、課題はどう解消されましたか?

SAILESSを導入したことで、異常値の判断だけでなく、異常兆候をシステムが早期に通知してくれるようになりました。アラートをあげたりメールで通知してくれたりするので、常時データを見ていなくてもよくなりました。また、見逃すこともなくなりました。トラブルは経験して覚える、と言いますか、異常値の判断はかなり経験を積んだベテランでないと困難です。判断基準は担当の経験や感覚によるもののため、共有は難しいです。
SAILESS導入後は、HYSERVEの監視は若手社員がほぼ一人で対応しています。弊社向けに特別なマニュアルも作っていただいており、操作も難しくないようです。一番の課題だった属人化は解消されました。

- SAILESSに含まれる「再学習ツール」は貴社の依頼で構築されたとのことですが、経緯を教えてください。

SAILESSは正常値データをAIに学習させ(ディープラーニング)、そこから外れたデータを異常値として検知するシステムですが、正常値データの更新(再学習)を自社で行えるようにしていただきました。機械全般に言えることだと思いますが、HYSERVEも経年で正常な状態が少しずつ変わってきます。その時々に応じた正常な状態を判断しなくてはいけません。正常なのに異常だと判断させないために、我々で定期的に正常値をAIに学習させることができたらいいなと思いました。

冨士川様

「自分で正常値データの更新ができるので、都合に合わせてメンテナンスができます。」(冨士川様)

- 「再学習ツール」導入前はどうされていたのですか?

宇部情報システムさんにその都度依頼していました。依頼して対応していただいて…と、手間も時間も多少かかっていました。導入後は、自社でお客様や自分たちの都合に合わせて対応できますし、宇部情報システムさんの負担も軽減できていると思います。
再学習自体は簡単です。CSVデータを出して、中に含まれる異常データを除いて、システムに登録してボタンをクリックするだけです。それだけでAIが学習します。データ量によってはシステムが処理するのでどうしても時間はかかりますが、操作自体の時間はかかりません。依頼して対応していただくよりは、時間の短縮もできるようになりました。

今後の展望

- SAILESSにかかわらず、今後IT分野でやってみたいことがあれば教えてください。

・HYSERVE 現場作業指示のシステム化
機器の修理の際、例えば部品の交換などは手順が決まっているのですが、例えばA、B、Cという作業をしなければいけない場合と、A、Cという作業しかない場合は、手順が異なります。本作業に入る前の準備作業などが変わるので、その都度最初から手順書を作成しています。作業の組み合わせでいろいろなパターンがあるので、やはり手順書を作成するしかないのですが結構手間です。システム化で何とかならないかなと考えており、あらためて宇部情報システムさんに相談します。

・HYSERVE のパラメータ自動調整
HYSERVを導入した際の試運転時には、正しく動作するように機械のパラメータ調整を行います。マニュアルはあるのですが、マニュアルに書いていないことが起こった場合、これも経験者でないと対応が難しいですし、ケースが多様ですので、全ての事象をマニュアルに記載することも難しい。また、経年でパラメータ調整が年に数回必要なのですが、導入台数が増えれば増えるほど手間が増えます。基準値をベースに、設定が自動で変更できるシステムがあればいいなと思います。ただ、システムの誤作動で設定値を誤ると大変なことになるので、かなりハードルは高いですね。

宇部情報システムへの評価・期待

- 最後に、宇部情報システムに対する総評をお願いいたします。

普通のITベンダーと違い、化学プラントの知識もお持ちのため、当社の要望を見事にシステム化していただけました。安心してお任せできるのでこちらも助かります。先に言いました手順書作成システムやパラメータ自動調整システムについても、引き続きご相談させていただきたいです。

(取材年月:2023年4月)

大阪ガスリキッド株式会社(Daigasグループ)

本社
大阪府
設立
1991年7月
売上高
44億円(2022年3月)
従業員
200名(グループ総数)
事業内容
液化天然ガスの冷熱利用事業、高圧ガスの製造及び販売、液化天然ガスの販売、高圧ガスに関する供給設備・装置・機器・配管等設計施工・販売ならびに維持管理、その他・調査・研究・開発・コンサルティング業務等

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