本文までスキップ

QC-One
QC-One

Case
導入実績

ハチミツの品質管理に「QC-One」をノンカスタマイズで導入。運用をシステムに合わせることで、業務の見直しができ、効率アップへとつながりました。

株式会社加藤美蜂園本舗様

株式会社加藤美蜂園本舗様
品質保証室 室長 小暮直樹様、品質管理室 主任 山田千穂様

「サクラ印ハチミツ」でおなじみの食品メーカー・株式会社加藤美蜂園本舗は、2018年1月、製品の品質管理のため宇部情報システムの品質管理パッケージシステム「QC-One」を横浜工場に導入しました。横浜工場に続き、富士工場にも導入し一元管理を実現しています。「QC-One」導入の経緯、導入効果について、横浜工場品質保証室の小暮室長、品質管理室の山田主任にお話を伺いました。

株式会社加藤美蜂園本舗の業務内容

- ハチミツからどのようにして製品が作られるのですか?

当社では、世界各国の養蜂家が集めたハチミツを、現地の輸出業者から調達しています。当社工場では、採蜜時に混入するゴミなどをろ過して異物を取り除き、味や香り・色などを均一化後、容器に詰めて製品として出荷します。ハチミツ以外にも、ハチミツ加工品、ケーキシロップ、メープルシロップなどの甘味料も製造・販売していますが、ここ横浜工場では主に家庭用製品の製造と業務用ハチミツの製造、富士工場(静岡県)では業務用ハチミツの製造、太田工場(群馬県)では一部健康食品の充填などを行っています。

- 品質保証室の主な業務内容を教えてください

各工場に品質管理部門があり、それぞれの工場の品質管理業務に取り組んでいます。私たち横浜工場の品質保証室は、原料・製品の品質管理業務全般に加え、製品の原料配合指示を行っています。ハチミツのもとである花蜜を採るための花は、1年の決まった時期にしか咲きません。そのため、季節を問わずハチミツを供給するために、花が咲く時期に原料ハチミツ1年分を買い付けて貯蔵し、製造に合わせて順次使用していきます。レンゲ、アカシアなどハチミツのもとになる花にもいろいろな種類があり、咲く時期も違えば、同じ花でも地域によってハチミツの味が違います。品質のばらつきを避けるため、原料の分析結果を基に配合原料を決めています。
また、医薬品原料に使用するハチミツ(日本薬局方ハチミツ)の製造も行っているため、当室には、薬剤師さんが所属しています。

- ハチミツの品質検査には、どんな検査項目があるのですか?

一般的なもので、色、味、水分、各種糖類の含有量、H.M.F.含有量*、ハチミツの灰分、酸度、酵素活性などがあります。 また、安全面での検査として、残留動農薬や微生物の検査などがあります。残留動農薬に関しては、日本と海外の規格基準が異なる項目があり、海外で合格しても日本では不合格の場合もあるので、厳重に検査を行います。 その他、アレルゲンの検査、異物検査、重金属検査なども実施します。原料から製品までの各工程においてさまざまな厳しい検査を実施することで、品質管理を徹底しています。
*H.M.F.:ヒドロキシメチルフルフラールの略。糖や炭水化物の熱分解により生成される有機化合物で、品質指標の1つ。

サクラ印ハチミツ

品質管理が徹底されている「サクラ印ハチミツ」

「QC-One」導入の経緯

- 「QC-One」導入に至った経緯を教えていただけますか?

従来は、当社の社員がAccessで作ったシステムを使用し品質管理を行っていましたが、システムの管理に労力とコストがかかっていました。検査項目の変更、検査成績表の追加のたびにプログラム改修を重ね、構造が複雑になっていました。どんどん溜まっていくデータの処理にも対応できていませんでした。また、新しいバージョンのAccessで開いた際にエラーが発生し、その対応にも時間と手を取られ、今後もバージョンアップのたびにエラー対応の必要があるのかと思うと、将来的に使用していくことは難しいと思いました。
何かよいシステムはないかずっと探していたところ、「QC-One」のホームページを見つけました。品質管理システムは他にもいろいろ見つけましたが、規格管理に重点を置いているものが多く、規格判定・分析結果の管理ができるものは他にありませんでした。

- 「QC-One」導入の決め手となったことは何でしょうか?

・コスト(価格):サーバライセンス
利用ユーザ数に制限がない。他事業所展開も可能。

・機能面:自動判定機能
時間・コスト削減、ミス低減につながる。

・運用面:同時アクセス可
複数人で同時に操作できるため、作業効率アップが期待できた。

・操作性:Excelに類似
Excelと同じように、表形式で入力できる。データをダウンロードして、統計管理に利用できる。

利用者数に制限があるシステムが多い中、「QC-One」はサーバ単位での課金となるので、コスト面でも決め手となりました。 入力・出力ともになじみのあるExcelベースなので、スタッフも抵抗なく導入できそうでした。また、これまでのAccessのシステムは、検査結果の保存しかできず、規格値との照合は担当者が製品毎に行っていました。「QC-One」は規格判定が自動でできますので、大変な労力から解放されました。
あらゆる面で当社の希望にマッチしたので、導入を決めました。

「QC-One」導入プロジェクト

- 導入において、貴社で何か作業はされましたか?

当社側でしかできない過去データの整備や、マスタデータの作成を担当しました。
大変だったのは、グレード(製品)マスタ、分析項目マスタ、顧客マスタ、成績表(成績表のレイアウトを決める)マスタなど、各マスタデータの整理です。不要項目の整理・コードの見直しも行いながら作成したので、時間はかかりました。大まかなスケジュール・担当を決めて主に4人で対応しましたが、規格関連は、私たちだけで決めることはできないので、全社を巻き込んでの作業となりました。
苦労はありましたが、ここでしっかり作っておけば、将来、他工場にも展開できる…先を見据えながら作業に取り組みました。

- 業務への導入はスムーズでしたか?

「QC-One」では、私たちが普段「製品」と呼んでいるものを「グレード」と呼ぶなど、多少、用語の違いはありましたが、すぐに慣れました。操作性に関しても、使い始めれば不便は感じませんでした。 操作教育で、「こんなことがしたいが「QC-One」を使ってどうやればいいか」を相談したら、システムの仕様上できないことについては、運用方法でカバーする代替案を提案してくださいました。当社の業務・環境を熟知した上でアドバイスをいただけたので、スムーズに導入ができました。

「QC-One」の導入効果

- 「QC-One」を導入してよかったことは何ですか?

1. 規格合否の自動判定ができる
お客様に迷惑をかける可能性がある「結果の入力ミス」「規格外製品の誤出荷」が、防げるようになりました。検査結果の入力時に規格判定ができるので(入力漏れや規格値から逸脱した値を入力した時には規格値外と判定される)、速やかに入力ミスや規格外製品に気づけるようになりました。以前は、上位者が承認する段階で気づいて差し戻していたので、やりとりに時間もかかっていました。

2. 作業効率のアップ
複数名で同時作業ができ、パソコンがあればどこからでも情報を閲覧できるので、合否判定後すぐに承認ができます。また、それまでは出荷可能品の情報を電話やFAX、紙ベースで隣の物流センターに連絡していましたが、「QC-One」の画面上ですぐ確認できるようになり、出荷までのスピードもアップしました。

3. 検査項目の変更、成績表レイアウトの変更が簡単
以前は、検査項目の追加、検査成績表の追加の際には、システム担当者がプログラム改修をしなければいけませんでしたが、「QC-One」では、管理利用者が誰でも画面から簡単に追加修正ができるようになりました。マスタの変更だけで済むので、大変楽になりました。

- カスタマイズなしでの導入で、システムに合わせて運用を変えましたか?

変えなければいけない部分もありましたが、逆に運用・業務フローを見直す良い機会になりました。以前から見直す必要はあると考えていたので、良い方向に進んだと思います。カスタマイズなしでも、現在、問題なく業務で使用できており、運用できています。

今後のビジョン

- 貴社の今後のビジョンを教えてください。

現在、製品管理のみで「QC-One」を使用していますが、今後は原料管理や工程管理にも「QC-One」を活用したいと考えています。
また、距離が離れている富士工場の管理も、「QC-One」1つでできています。今後、さらに当社の関連会社にも「QC-One」を展開できると、当社の品質保証体制はもっと強固になるのではないかと期待しています。

- 宇部情報システムに対する総評をいただけますか?

当社の現状をしっかり把握・理解していただいた上で、いくつかの方法を提案してくださいました。その会社に合った、一番良い方法を考えてくださいます。操作教育などを含めての丁寧なフォローは、とても信頼できます。導入時に試行錯誤し、不安な点はある程度解消して本番稼働を迎えることができたので、導入はとてもスムーズでした。導入後も大きな問題もなく…ちょっとした問い合わせはしましたが、電話やメールで解決するレベルで、対応も迅速にしていただいています。

- 「QC-One」の導入を検討されている方に、メッセージがあればいただけますか?

「QC-One」は、システムの作りがシンプルなのだと思います。なので、逆に汎用性が高いのではないでしょうか。いろいろなモノの品質管理に活用できそうです。カスタマイズが必要な場合もあるかもしれませんが、運用をシステムに合わせることで、うまく業務にフィットすると思います。少なくとも私たちは、現在、不便を感じずに使えています。サクラ印ハチミツが自信を持っておすすめできるシステムなので、迷われている企業様は、お話だけでも聞かれてはいかがでしょうか?

株式会社加藤美蜂園本舗

- 株式会社加藤美蜂園本舗のみなさま、ありがとうございました。(2018年5月取材)

株式会社加藤美蜂園本舗

「サクラ印ハチミツ」のブランドで知られる、業界シェアNo.1のハチミツ・ハチミツ加工食品メーカー。世界各国のハチミツを取り扱い、ハチミツ製品を製造・販売している。戦後から長年に渡り、ハチミツのある食文化を社会に広めることで、人々の健康促進に貢献し続けている。FSSC22000認証取得。

設立
1947年
本社
東京都台東区
URL
https://www.sakura-honey.co.jp/index.html

ガバナンス強化で企業信頼度を向上

品質管理システム「QC-One」をさらに知りたい方はこちら
QC-Oneについてのご質問やご相談など、お気軽にお問い合わせください。