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QC-One
QC-One

Case
導入実績

品質管理システムは止めてはいけないことが大前提。万が一止まった時にはすぐに対応していただかなければいけません。 宇部情報システムのレスポンスの良さが『QC-One』を選定する決め手となりました。

AGCセイミケミカル株式会社様

AGCセイミケミカル株式会社様
品質保証業務ご担当者様、社内システム運用ご担当者様

AGCセイミケミカル株式会社様は、11年間使い続けた品質管理システムの老朽化に伴い、宇部情報システムが開発・販売する品質管理パッケージシステム「QC-One」を導入しました。品質保証部門のご担当者様、社内システム運用ご担当者様に、導入システム選定から導入までの経緯、「QC-One」ならびに宇部情報システムへのご評価などを伺いました。

9ヵ月間の導入期間を経て、品質管理システム「QC-One」を本稼働

- 宇部情報システムへのご依頼内容をお話しください。

当社は2016年4月、宇部情報システムに品質管理システム「QC-One」の導入を依頼しました。

同年5月から導入プロジェクトがスタートし、カスタマイズ・アドオンの開発を経て、前システムからのデータ移行が終わったのが11月です。12月に操作教育、2017年1月に前システムとの並行稼働を行い、2月から本稼働させています。 本稼働から10ヵ月が経過しましたが、不具合もなく安定稼働しています。

AGCセイミケミカル様における品質保証業務と「QC-One」の使い方

- 御社における「QC-One」の使い方を教えてください。

当社は「QC-One」を、製品分析結果の合否判定と製品の検査成績書の品質保証業務における分析データの管理に使用しています。
初めに、製品分析結果の合否判定ですが、製品品質の最終判定になります。お客様に不良品を届けないよう、製品を分析し、分析結果を規格値と照らし合わせて合否判定を行います。

次に、製品の検査成績表の発行です。我々が自信をもって出荷する証しとして、製品の合格判定結果を検査成績表としてお客様に提出いたします。

最後に、分析データの管理です。昨今では品質の安定がより厳しいレベルで求められてきています。たとえ合格だとしても、過去の実績に比べて特異的なデータになっていないか、グラフなどを使ってチェックしています。

- 検査項目にはどのようなものがありますか。

組成成分量、物性、外観などです。組成成分量とは、製品を構成する成分・物質などの含有量です。物性は、液状の製品であればpH、比重、粘度など、粉体状のものであれば粒度、表面積、密度などを測ります。外観とは製品の色味です。製品によっては標準品と比較して薄い、濃いといった判断をしています。機能性の評価を検査する製品もあります。

- 品質管理システムを導入するメリットをお話しください。

製品ごとに規格が異なるだけではなく、同じ製品でもさらにお客様によって規格が異なります。また月間の検査製品数は数100件、製品の検査項目数は月当たり約1万件にも上ります。それら全ての分析値が規格値と比較して範囲内に収まっているかどうかを自動的に判定することがシステムを導入する最大のメリットです。

「QC-One」選定の決め手は製品の良さと保守対応への期待

- 「QC-One」導入に際し、新システムに求めた要件をお話しください。

新しい品質管理システムを選定する上で、前提となった条件は次の2点です。

1. 現行システムの全機能を再現できる
「QC-One」導入前の品質管理システムは、11年間稼働していましたが、その間、お客様のニーズを反映する形で機能追加や機能改善を繰り返してきました。新システムにもそれらの機能を全て引き継ぎ、従来通りの品質保証業務を継続できるということを前提にパッケージを選びました。

2. 柔軟にカスタマイズができる
お客様のニーズは変化し続けていきます。ニーズの変化に合わせて、品質管理システムも機能追加、機能改善をする必要があります。新システムの選定では、ニーズの変化に柔軟に対応してカスタマイズができることも重視しました。

以上、2つの要件を満たしていたのが「QC-One」です。標準機能で前システムの機能がほぼ実装されていました。また、柔軟にカスタマイズ可能なため、標準機能に実装されていない機能もカスタマイズやアドオンで再現することができました。開発工数もさほどかからず、コスト的にも比較的安価に導入できました。もちろん、今後発生するニーズに合わせた機能追加、機能改善に関しても問題なく対応できるはずです。

- 「QC-One」以外の製品も検討されましたか。

「QC-One」以外には、もう1つ検討した製品がありました。しかし、今後のサポートも含めて比較した結果「QC-One」を選定しました。

宇部情報システムは、担当SEのレスポンスが非常に良かったです。質問への回答は早く、当社の要望に対しては親身になってご提案をいただきました。宇部情報システムの開発拠点が山口県ということは、最初は気になりましたが、実際にコミュニケーションをとってみて、距離の問題はないと実感しました。

- サポート対応が重要な理由をお話しください。

品質管理システムが止まると、製造業にとっては大きな痛手となります。従って止まらないことが大前提ですが、万が一システムが止まってしまった場合は、すぐに対応していただくことが重要です。また、機能追加のニーズが発生した際にも、迅速に、確実に対応していただかなければいけません。導入時のことだけではなく、稼働後の対応まで見据えれば、サポートも大変重要です。

- ご検討にかけた期間、ご検討する上で確認されたことなどをお話しください。

宇部情報システムに最初にご来社いただいたのが、2015年3月です。デモ機を見せていただいて、どう動くのか、当時の現行システムとのギャップを確認し、ギャップのある部分に関しては、どのように要件を満たしていただけるか、カスタマイズやアドオンのご提案をしていただきました。約半年間で6回ぐらいお会いして話を聞いて、10月に正式に依頼することを決めました。

マスタのデータ移行で苦労しつつ、オンタイムで本稼働

- 今回、「QC-One」を導入するにあたり、御社内ではどのような体制で取り組まれましたか。

品質保証部門とシステム運用担当者が連携しながら取り組みました。カスタマイズやアドオンの内容については実際に業務を担う品質保証部門が要望や意見を出し、開発されたシステムを実際にテストして部門全体の意見を集約しながら調整を重ねていきました。システム運用担当者は、システム環境構築やマスタデータの整備、さらに開発途中のシステム周りのチェックや調整などを行いました。

- 導入プロジェクトはスムーズに進行しましたか。

はい。スムーズに進みました。進捗管理表を作っていただき、課題を書き出してもらっていたので、進捗状況も把握しやすかったです。導入プロジェクトのスタートから本稼働まで、ほぼ宇部情報システムが最初に提示したスケジュール通りに進みました。

- 約9ヵ月間というプロジェクト期間についてはどのように感じておられますか。

カスタマイズやアドオンの開発、データ移行などを考えると妥当な期間です。現場が違和感なく使えるかどうかしっかりと検証する必要がありますし、前システムできちんと動いていたものを、新システムでも同じように動くかどうかの検証も必要です。開発が完了してデータを移行した後は操作教育や前システムとの並行稼働での検証が必要となります。よって、9ヵ月間という期間はどうしても必要でした。

- 途中でご苦労された工程はありましたか。

当社側の作業で最も苦労したのは、マスタの整備です。品質管理システムは特に一般のシステムと比較してもマスタ整備に労力がかかるシステムです。前システムは11年間使ってきたので、移行するために抽出したデータには、不要なデータも混じっていました。エラーが出た時に、マスタの表現の違いが影響しているのか、不要なデータが影響しているのかを特定するのにも時間がかかりました。ひたすらチェックと修正を行い、エラーが出たらまた確認し、宇部情報システムにバッチファイルを作ってもらって、データを更新するという作業を繰り返しました。開発フェーズの最後の1ヵ月間は、2日ごとにバッチファイルを送ってもらって更新していました。

また、前システムでは国内向けと海外向けに、日本語表記と英語表記の2つのコードを持つ項目がありました。しかし、「QC-One」では項目を1つのコードに統合できることがマスタ整備を進める過程で分かりました。予定外の作業であり、負担も増えることになりますが、先々のことを考慮し、急遽追加で統合作業を行いました。統合したことで、マスタ管理の負担が軽減されました。

- 操作教育はどのような形式で行いましたか。

担当SEの方にご来社いただき、会議室で何台かパソコンを並べて集合研修という形で行いました。当社には鹿島事業所にも品質保証の部署があるため、茅ケ崎と鹿島事業所の2か所で行いました。

具体的には実際の業務フローに従って、データ登録・成績表出力などを、現場の担当者に実際に操作してもらう形式で進めました。

- 操作教育を受けただけで皆さんが使えるようになりましたか。

多少、細かい部分で問い合わせたことはありましたが、操作に関して困ったことはさほどありませんでした。実際にシステムを使う者が開発工程に関わっていたことも影響しているのかもしれません。

- 本稼働前に前システムとの並行稼働が必要な理由をお話しください。

並行稼働の目的は新システムの最終チェックです。システムを刷新したからといってアウトプットが違うということは許されません。二度手間になっても前システムと新システムで同じ結果が得られることを確認する必要がありました。

具体的には新システムと前システムの両方に同じデータを入力して、同じ分析結果になるか、同じように成績表ができるかを確認しました。当社はとにかく製品の種類が多く、また各自、各グループで担当が異なるので、それぞれでチェックしていきます。開発工程に携わった者だけでは気づかないこともあるため、並行稼働をして問題を見つけて修正していく必要がありました。実際に、いくつか問題が見つかったので、宇部情報システムに修正対応してもらいました。

分析データの傾向・変動を見える化する管理図、保証期限の自動算出など、進化した品質管理システム

- カスタマイズやアドオンのご要望は全て満たした上で本稼働することができたのでしょうか。

ほぼ満たされました。満たされない点は、運用面でカバーできました。

- 「QC-One」の導入効果をお話しください。

主に以下、3つの成果がありました。

1.検査項目ごとの分析データの傾向・変動の管理図(標準機能)
同じ製品を同じように製造していても、品質は多少なりとも変動します。規格の範囲であったとしてもずっと同じということはありません。検査項目ごとの傾向の管理図が別のアプリケーションを介さずに確認できるようになりましたので、数値が安定している、許容範囲ではあるが徐々に値が高くなっているといった品質の傾向を即座に読み取り、製造ラインへレビューするレスポンスも向上しました。

2.成績表の作成・変更(標準機能)
成績表レイアウトを調整できるようになりました。前システムでは様式が決まっていたため、簡単に変更ができませんでしたので、開発保守を頼んでいたベンダーに依頼して、新しい様式を作成していました。

3.保証期限の自動算出(アドオン機能)
成績表には備考欄に保証期限を記入しています。保証期限は、製品ごとに、製造日起算か出荷日起算かが異なります。前システムでは、人力で計算し備考欄に手入力をしていました。それを今回は自動算出機能をアドオンしました。入力項目が減り、作成後に確認する手間を削減することもできました。

- 使いやすさはいかがですか。

本稼働から10ヵ月が経過し、だいぶ使い慣れてきたところです。冒頭で述べた通り、不具合も全く発生していません。

- 保守サポートに関してはいかがでしょうか。

保守サポートの内容は、操作などに関するQA対応と、不具合が発生した際の相談、復旧支援です。しかし、本稼働以来、全く問題なく稼働しているため、今のところサポートの要請はしていません。逆に、宇部情報システムから「要望があれば気軽にご連絡ください」とは言われていますが、現場からも特に要望や不具合の報告は上がっていません。

宇部情報システムへの期待

- 導入プロジェクトを振り返られて、宇部情報システムの対応はいかがでしたか。

今回、「QC-One」を選定した際の期待通り、導入プロジェクトがスタートしてからも宇部情報システムは非常に良いレスポンスでした。特に終盤はほぼ毎日のように、連絡を取り合ってご対応いただきました。必要な時に必要な形でアドバイスをいただき、また、ご対応いただいたおかげで、スケジュールが遅れることもなくスムーズに導入できたと考えています。

- 宇部情報システムへのご期待をお話しください。

今後もお客様のニーズは多様化していくことが予想され、それに伴い品質管理システムの機能追加や機能改善も発生するでしょう。宇部情報システムには今後も継続してシステムの安定提供と、これまで通りのレスポンスの良い対応を期待しています。

- AGCセイミケミカル株式会社のみなさま、ありがとうございました。(2018年11月取材)

AGCセイミケミカル株式会社

AGCのグループ会社。設立以来、70年に渡り、無機・有機を問わず、ファインケミカルの研究開発・製造に力を入れ、特色ある製品を生み出してきた会社である。現在、同社製品はフッ素系コーティング剤、界面活性剤などの表面改質剤や各種添加剤、研磨剤、離型剤、燃料電池材料など、生産工程におけるキーマテリアルとして、エレクトロニクス、エネルギーなどの幅広い分野で利用されている。社是である創造と進化を原点とし、お客様の要望と自社の提案を組み合わせ、少量多品種の製品群を提供し続ける。

設立
1947年12月
本社
神奈川県茅ヶ崎市
従業員数
約260名(2017年11月現在)
URL
http://www.seimichemical.co.jp/

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